1
みなさん、こんにちは(こんばんは)。

セミリタイア/サイドFIREして家族とのんびり生活している投資家の森田です。

今回は個別銘柄ネタです。これまで何度か「特別利益による一時的な好決算」を取り上げてきましたが、今回は対照的なタイプの銘柄です。

電線・光ファイバーメーカーのフジクラ(5803)が、2026年に入ってから繰り返し業績予想を上方修正し続けています。

最新の予想では、純利益は前期比2.1倍の326億円。今回はこの"止まらない上方修正"の中身を整理してみます。

参考になれば幸いです。

2026年、上方修正の連続履歴

発表時期 通期・経常利益予想 通期・純利益予想 修正率
2026年2月(前回決算時)3,160億円から→さらに上乗せ1,500億円台180億円上方修正、5期連続最高益
2026年5月14日(前期・本決算時の今期予想)2,180億円1,560億円(今期の当初予想)
2026年6月18日(1カ月あまり後)3,160億円(+45.0%)2,290億円(+46.8%)株価はストップ高が2営業日連続
2026年8月7日(1Q決算時)4,530億円(+43.4%)3,260億円(前期比2.1倍)5期連続の過去最高益予想をさらに上乗せ

2月に180億円の上方修正を発表したばかりの会社が、5月の本決算でいったん保守的な今期予想を出し、その1カ月あまり後の6月に45%上方修正、さらに2カ月後の8月にもう一段43%上方修正という、異例の連続修正です。

当初1,560億円だった純利益予想は、半年足らずで3,260億円まで積み上がりました。


なぜ「電線会社」がここまで伸びているのか

要因 内容
主力商品データセンター向けの細径高密度光ファイバーケーブル(SWR/WTC)
需要生成AIの普及に伴う、北米を中心としたハイパースケールデータセンター(GAFAM級の大手クラウド事業者)向けの投資急拡大
想定外のプラス材料①ハイパースケーラーからの、当初織り込んでいなかったプロジェクト受注の獲得
想定外のプラス材料②売価(販売価格)の上昇
懸念材料の解消光ファイバーの増産のネックになるとされていた原材料(水素)の供給不足が緩和

同社は「光ファイバーを作る技術」だけでなく「現場でつなぐ技術」を強みとしており、GAFAM級のデータセンター増設に採用される形で、電線会社からAIインフラの中核プレイヤーへと立ち位置を変えてきました。

これまでの記事で紹介してきたAI・半導体関連の物色は、装置メーカーだけでなく、こうした素材・部材メーカーにも及んでいることがわかります。


「特別利益型」の好決算との違い

比較項目 これまで紹介した「特別利益型」(ミロク・味の素・いちごオフィス等) フジクラの今回のケース
増益の中身資産売却益など一時的な特別損益本業(営業利益・経常利益)そのものの伸び
持続性翌期は反動で減益になることが多い需要が構造的に拡大しているため、複数回にわたり上方修正が継続
見るべきポイント純利益だけでなく、営業利益・経常利益が伸びているか今回はまさに経常利益・営業利益ベースで大幅増益

以前の記事で繰り返し「特別利益は一時的」という点を強調してきましたが、フジクラの今回のケースは、営業利益・経常利益という本業の指標そのものが大幅に伸びており、性質が大きく異なります。

AI関連のデータセンター投資という構造的な需要拡大が背景にあるため、複数回の上方修正が続いている、という点が評価されています。


それでも注意したいポイント

① バリュエーション(株価の割高・割安)は常に再評価される

上方修正のたびに利益水準そのものが切り上がるため、PER(株価収益率)などの指標も修正後の数字で見直す必要があります。上方修正後の水準を基準にすると、株価は依然として相応の成長期待を織り込んだ水準にあるとの指摘もあります。

② 「継続性」への意識が市場でも話題になっている

複数回の上方修正が続く中、市場関係者の間では「サプライズ」への好感と同時に、「この勢いがいつまで続くか」という継続性への留意も指摘されています。ハイパースケーラーの設備投資計画は、マクロ環境(金利、AI投資の需要動向)次第で変化しうるものであり、永続的な右肩上がりを保証するものではありません。

③ 業績の踊り場・急落局面も過去に経験している

同社の株価は2026年5月に上場来高値をつけた後、6月初旬にかけて急落する場面もありました。好材料が相次ぐ銘柄でも、短期的な調整局面は繰り返し訪れる点は理解しておく必要があります。


この事例から学べること

① 上方修正の「中身」を必ず確認する

同じ「上方修正」でも、本業の伸びによるものか、特別要因によるものかで、その後の株価の持続性は大きく異なります。今回のフジクラのケースは、営業利益・経常利益ベースでの伸びという点で、以前紹介した特別利益型のケースとは一線を画す内容です。

② 「川上」の素材・部材メーカーにもテーマの恩恵が及ぶ

AI関連というと最終製品や装置メーカーに目が行きがちですが、その供給網の川上にある素材・部材メーカーにも需要拡大の恩恵が及ぶことがあります。サプライチェーン全体を俯瞰する視点が、投資対象を広げる手がかりになります。


個人投資家としての向き合い方

① 好調な決算が続く銘柄ほど「次も同じペースか」を冷静に見る

3回連続の上方修正という実績は魅力的ですが、同じペースがこの先も続く保証はありません。次の決算でも同様の上振れが続くか、注意深く確認する姿勢が大切です。

② テーマ株はポートフォリオの一部に留める

成長期待の高い銘柄は株価の変動も大きくなりがちです。コア資産はインデックス投資に置き、こうした個別のテーマ株は無理のない範囲でサテライトとして持つのが、バランスの取れたやり方だと思います。


まとめ

フジクラは2026年に入ってから、2月・6月・8月と複数回にわたり業績予想を上方修正し続け、通期純利益予想は当初の1,560億円から326億円増の3,260億円(前期比2.1倍)まで積み上がりました。

背景にあるのは、生成AIの普及に伴うハイパースケーラー向け光ファイバー需要の構造的な拡大です。

これまで紹介してきた特別利益による一時的な好決算とは異なり、営業利益・経常利益そのものが伸びている点が特徴ですが、上方修正の勢いがいつまで続くかという継続性には引き続き注意を払いたい銘柄です。

投資はあくまで自己責任でお願いします!

にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ


↑いつも応援クリックありがとうございます!
あなたのおかげでブログを続けられています!!