節目の66,000円台を回復し、上げ幅は一時900円に迫る場面も。ただし中身を見ると、金利上昇や円安といった「本来なら株価の重荷になるはずの材料」を跳ね返しての上昇という、やや複雑な一日でした。
今回はその中身を整理してみます。
本日の市場データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日経平均終値 | 66,364円20銭(前日比+850円21銭、+1.30%)。5日続伸 |
| TOPIX | 4,128.59(+53.29)。日経平均と同じ方向で上昇 |
| 長期金利(新発10年国債利回り) | 一時3.115%と1996年8月以来、約30年ぶりの高水準。その後押し目買いで3.070%まで低下 |
| 米10年国債利回り | 5.191%(前日比▲0.011) |
| ドル円 | 158円台。1ドル158円08銭(前日比▲0.75円、円安方向) |
| NY原油先物 | 93.11ドル(前日比▲1.50ドル、▲1.58%) |
日米ともに長期金利が上昇し、為替も円安・ドル高が進む中で、これまでの記事で紹介してきたパターンなら株式市場には逆風となるはずの組み合わせでしたが、実際には株価が大きく上昇しました。
なぜ金利高・円安をものともせず上昇したのか
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| ① 米中首脳会談への安堵感 | 米中首脳会談が友好ムードの中、無難に終わったことで投資家心理が改善 |
| ② AI・半導体関連への物色継続 | 東京エレクトロンやアドバンテスト、イビデンなどが大幅高となり、指数を押し上げ |
| ③ 中間配当の権利取り狙いの買い | 9月末の権利確定に向けて、幅広い銘柄に買いが広がった |
| ④ 銀行株への資金流入 | 日米の金利上昇を受け、利ざや改善が期待される三菱UFJなど銀行株が買われ、TOPIXの押し上げにも寄与 |
大和証券のストラテジストは「日米ともに金利が大きく上昇するなど、相場環境はあまり変わっていない。ただ、中間配当の権利取り狙いの買いなどもあって市場はやや『いいとこ取り』に走っている」と評しています。
金利上昇という同じ材料でも、「銀行株には追い風」「グロース株には逆風」という異なる効果を及ぼす中、今日は前者の側面が強く意識された形です。
金利上昇の背景:日米そろって「利上げ局面」入り
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直近の政策決定 | これまでの記事で紹介した通り、日銀は9月18日に1.25%への利上げを決定。FRBも9月16日に3年2カ月ぶりの利上げを決定済み |
| 日銀の利上げ到達点(ターミナルレート)予想 | 市場では現状の1.25%から、最終的に2.5%台まで引き上げられるとの予想も出ている。一部では「行き過ぎ」との声も |
| 円安への政府対応 | トランプ米大統領が円安に懸念を示したと伝わり、この日は午後にかけてドルの上値が重くなる場面も。市場では「1ドル160円死守」を意識した円買い介入のペースが加速するとの思惑も出ている |
以前の記事で紹介した通り、日米が同時に利上げ局面に入っても、金利差はすぐには縮まりません。
そのため円安圧力は根強く残っていますが、160円という水準は当局にとって無視できないラインとして意識されているようです。
個別では明暗も:加賀電子・コマツ・日本ケミコン
| 銘柄 | 内容 |
|---|---|
| 加賀電子(8154) | 今期経常利益を7%上方修正、配当も20円増額 |
| コマツ(6301) | シティグループ証券が投資判断を最上位に引き上げ、株価は一時5.1%高 |
| 日本ケミコン(6997) | シンガポール子会社への損害賠償命令が伝わり、株価が一時9.6%安 |
指数全体が大きく上昇する中でも、個別企業の材料次第で明暗が分かれる銘柄が存在する点は、これまでの記事でも繰り返し触れてきた通りです。
指数のニュースだけでなく、保有銘柄の個別材料も並行して確認する姿勢が引き続き大切です。
個人投資家としての向き合い方
① 「金利高・円安なのに株高」を額面通りに喜ばない
今回の上昇は、中間配当の権利取りという季節的な需給要因や、米中首脳会談という個別のイベントに支えられた「いいとこ取り」の側面が強い動きです。
金利上昇という構造的な逆風が消えたわけではない点は、頭に入れておきたいところです。
② 権利付き最終日が近い時期の値動きには季節性がある
9月末の中間配当の権利確定に向けて、配当狙いの買いが入りやすい時期です。こうした季節的な需給要因による値動きは、業績そのものの変化とは切り離して理解しておくとよいでしょう。
③ 日銀の利上げ「到達点」という新しい論点に注目
これまでの記事では「次の利上げがいつか」が焦点でしたが、市場の関心は徐々に「最終的にどこまで金利が上がるか」というターミナルレートの水準に移りつつあります。2.5%台という予想が出ている一方で「行き過ぎ」との声もあり、この見方の変化が今後の金利敏感株の値動きを左右しそうです。
まとめ
9月25日の日経平均は、日米の長期金利上昇(日本は一時30年ぶり水準)や円安進行という逆風がありながらも、米中首脳会談への安堵感、AI・半導体株への物色、中間配当の権利取り狙いの買いに支えられ、5日続伸で850円高となりました。
市場関係者からは「いいとこ取り」との指摘も出ており、金利上昇という構造的な要因が解消したわけではない点には注意が必要です。
日銀の利上げ到達点(ターミナルレート)を巡る思惑も、今後の焦点になりそうです。
投資はあくまで自己責任でお願いします!![]()

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