
みなさん、こんばんは。
今回は高配当株として人気のオリックスの配当が今後どうなるのかを考えていきます。
オリックスや高配当株に興味のある方の参考になれば幸いです。
株主優待は2024年3月をもって廃止

ご存じの方も多いと思いますが、オリックスの株主優待は2024年3月で廃止となります。
人気の株主優待でしたが、公平な利益還元という観点から廃止となりました。
で、じゃあ配当はどうなるの?その分増えるの?というのが株主にとって気になるところですよね。
続いてそこのところを確認していきましょう。
利益還元は配当等に集約

IR資料を読んでいくと、株主優待制度を廃止し、今後は配当等による利益還元に集約すると書かれています。
「等」となっているのは自社株買いのことでしょう。
配当という文言が入っていることから、基本的には株主優待を廃止して配当を増やすという方向だと考えて良さそうです。
ではどれぐらい配当が増えるのか、配当利回りはどうなるのかという点ですが、今回は2つのアプローチから考えて見たいと思います。
一つ目は単純に株主優待にかかっていた費用を配当に回すと仮定した場合
二つ目は配当性向を上げるとした場合です。
株主優待の費用を配当に回すと配当利回りはどうなる?
ここからはちょっと細かな計算になりますので、計算自体に興味のない方は飛ばしてください。まずは株主優待にかかっていた費用を算出していきます。
オリックスの株主優待は株主カードとふるさと優待の2種類があります。
株主カードはオリックスのサービスを利用すると割引が適用されるというものです。
ふるさと優待はいわゆるカタログギフトですね。
カタログギフトについては通常の株主は5,000円相当、長期株主は1万円相当となっています。
オリックス側の費用的にはもっと安くなっていると考えられますが、送料などの雑費や株主カードの費用も踏まえて、株主1人あたり5,000円の経費だとします。
これに株主数をかければ、ざっくりですが株主優待にかかる経費が計算できます。

オリックスの2023年9月末時点の株主数は上記のとおりです。
ただ、株主優待の権利を取るため3月に近づくにつれ買っている投資家もいるでしょう。

実際、上記のとおり2023年3月時点の株主数は約85万人、2022年3月時点では約82万人となっています。
2019年3月時点では約44万人ですので、株主数が急増したことも株主優待廃止の一因になっているのでしょうね。
さて、話をもどして株主数は過去のデータを参考に80万人として計算していきましょう。
5,000円×80万人=40億円となります。
株主優待にかかっている費用が40億円だとして、これを配当に回すといくらになるのか計算していきましょう。

オリックスが2023年11月1日に発表した2Q決算によると株式数は上記のとおりです。
自己株式を差し引いて、約11億6千万株として計算しましょう。
40億円÷11.6億株=約3.4円となります。
1株当たり約3.4円増配できるという計算ですね。
今期の予想配当は94円ですので割合にすると3.6%の増配効果となります。
来期の配当は業績成長分+3.4円の増配が期待できるという計算になりますね。
業績が現状のままだとして配当利回りを計算すると、94円+3.4円=97.8円の配当金を2023年11月28日の終値2,712.5円で割ると配当利回りは約3.6%です。
業績が10%成長すると仮定すると、94円×1.1+3.4円=約107円ぐらいの配当は見込めそうです。
この場合配当利回りは約3.9%となります。
配当性向のアップで配当はどうなる?
最近は配当性向を示して株主還元を強化する企業も増えてきました。株主優待を廃止し、配当性向をアップさせるというのも十分あり得る施策です。
ということで、オリックスの配当性向について考えていきましょう。
現在オリックスは配当方針として配当性向33%もしくは1株あたり配当金85.60円のいずれか高い方にすると公表しています。
今期の予想EPSは約285円、予想配当金はEPSのおよそ33%となる94円です。
では、来期以降株主優待を廃止することで、配当性向がアップするとしたらどうなるでしょうか?
計算していきましょう。
来期のEPSが今期並みで配当性向が40%にアップした場合、1株当たりの配当金は114円です。
配当性向が50%にアップした場合は142.5円となります。
それぞれの配当利回りを2023年11月28日の終値2712.5円で計算すると、
配当性向40%の場合は約4.2%
配当性向50%の場合は約5.2%
です。
仮に業績が10%成長して来期EPSが285×1.1=313.5円になり、さらに配当性向がアップした場合も同じように現在の株価で配当利回りを計算すると、
配当性向40%の場合は約4.6%
配当性向50%の場合は約5.7%
となります。
オリックスが人気化するか
株主優待を廃止したことで、手を引いた投資家もいるであろうオリックス。ただ、株主優待を廃止し配当等に株主優待を集約すると明記している以上、来期以降の増配に期待せざるを得ません。
来期の配当予想の発表とともに人気化する可能性もあるのではないでしょうか。


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