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ケアネットの株価が8月13日ストップ安となりました。

ケアネットは8月12日に2021年12月期第2四半期決算の発表と合わせて悪魔の増資とも言われるMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)の発行を発表しています。

成長株が決算後に売られることが多い相場とはなっていますが、ここまで下げたのはMSワラントの発行を発表したからでしょう。

今回はケアネットの決算とMSワラントについて分析していきます。

ケアネットは製薬会社の営業支援を行っている企業です。

ケアネットの紹介記事はこちら


ケアネット第2四半期決算は営業利益3倍
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ケアネットの2021年12月期第2四半期決算は大幅な増収増益決算となりました。

売上高 2倍超

営業利益 3倍超

純利益は 5.3倍超


となる決算です。

コロナ禍により製薬企業の営業が対面型から非対面型へ移行していることで、好調な業績が続いています。

効率や利便性を考えればコロナ禍が落ち着いたとしても、DX化の流れは止まらないでしょう。

中長期的に業績成長が期待できると考えています。

会社側も下記のとおり、中期経営計画で前期業績の売上高・営業利益ともに数倍以上とする高い目標を掲げています。

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またケアネットは9月30日を基準日とする株式分割を発表しました。
1株につき4株を割り当てる株式分割であり、これに合わせて1株当たりの配当予想や予想EPSは修正されていますが、実質的には変更はありません。

決算自体は良い数字が出てきましたが、ケアネットの決算翌日の株価はストップ安となりました。

ここ最近は好決算でも売られる銘柄が散見されますが、いくらなんでもPERなどの株価指標的には通常であればこの決算でストップ安とはならなかったでしょう。

ストップ安となったのはMSワラントの発表が要因です。

MSワラント発表によりストップ安に
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ケアネットは決算と合わせて、100万株分の行使価額修正条項付新株予約権=MSワラントの発行を発表しました。

MSワラントは悪魔の増資ともよばれる既存株主にとってデメリットの多い資金調達手段です。



今回ケアネットはMSワラントの発行により約63億円の資金調達を目指します。
MSワラントにより得た資金は成長のための開発投資とするとしており、その内容には賛成です。

ただ、ケアネットは既に安定して利益を出している企業ですので、MSワラントでなくとも資金は調達できたはずです。

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財務状況も最近の好業績に支えられて自己資本比率は67%と財務的に増資が必要というわけでもありません。

手元資金も第2四半期末時点で現金及び現金同等物が約30億円保有しており、正直なぜ、MSワラントによる資金調達を選択したのか疑問です。

今回のMSワラントによる株式の希薄化率は9.6%ですが、株価は14%安のストップ安となっており希薄化率を大きく超えました。
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多くの投資家にとって、MSワラントの発行はネガティブサプライズとなったのでしょう。

昨日のPTS市場でも大きく売られており、行使価額の下限である4,809円を意識しているのかなとも思います。

経営陣もここまで株価が下がることを想定していなかったんじゃないかな。

過去、MSワラントが中止となった事例もありますので、ちょっと期待したいですね。笑

正直今回のMSワラントで経営陣に対する不信がうまれましたが、株価が5,000円程度まで下落すれば成長率ふた桁を優に超える成長率の銘柄がPER30倍程度となりますので、購入しようかなと思います。

信用買いの追証による売りも予想されるので、しばらく値動きが大きくなりそうですが、冷静に取引していきたいですね。

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