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電子商取引(EC)の普及に伴い、企業の取引先の幅が広がっています。

ITの進歩などにより、今まで取引の無かった企業とも容易に取引することができるようになりました。

そんな中で、問題になるのが相手方が信用できる企業なのか?ということです。

技術力が高い、製品(サービス)が安いというメリットがあったとしても、今まで取引が無かった企業と取引するのはリスクが気になることも多いでしょう。

こういった問題を解決するのに役立つ、企業の与信管理支援サービスを提供しているのが【3768】リスクモンスターです。

今回は、取引先の信用力を分析するサービスを展開するリスクモンスターを紹介します。
【3768】リスクモンスター
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リスクモンスターは倒産確率情報などを提供する与信管理サービスを展開する企業です。

設立は2000年、東証2部に上場しています。

前期の売上高は約31億円、営業利益は約5億円です。

時価総額も50億円程度であり、規模は大きくありません。

では、リスクモンスターの事業内容を見ていきましょう。

リスクモンスターの事業内容

リスクモンスターのセグメントは4つです。

・与信管理サービス事業
・ビジネスポータルサイト事業
・BPOサービス事業
・その他サービス(教育関連事業含む)

それぞれについて見ていきます。

与信管理サービス事業

与信管理サービス事業はリスクモンスターのメインの事業です。

リスクモンスターの売上・利益共に60%以上を占めています。

与信管理ノウハウと日本最大級の企業データベースを利用することで、倒産確率を算出し、企業格付(RM格付)を会員に提供している事業です。

会員数は6,000を超えており、着実に増加しています。

具体的なサービスとして、

・企業格付(RM格付)や推奨与信限度額などの与信判断指標を提供する「e-与信ナビ」
・継続的に与信が発生する取引先を登録し一括動態管理を行うツール「e-管理ファイル」
・取引先全体のリスク構成を分析する「ポートフォリオサービス」
・与信管理規定やルール構築、与信管理教育・研修等のコンサルティングサービス

などを提供しています。

取引先企業の与信を判断するのに役立てるというサービスの性質上、不況期に需要が伸びるという点が特徴です。

もちろん、好況期であっても取引先拡大するためなど需要はありますので、景気動向の影響で業績が悪化しにくい事業となっています。

ECなど企業の取引先が拡大することで、与信管理サービスの需要も高まっていくと考えています。

前期の業績は

売上高 2,044,021千円(7.9%増)
セグメント利益 377,401千円(8%増)

です。

ビジネスポータルサイト事業

企業活動を円滑にするためのグループウェアなどのサービスを提供しています。

もともと、与信管理サービス事業を行う中で、顧客からの要望により始めた事業です。

成長性は乏しく、会員数は3,200程度と近年横ばい状態が続いています。

具体的なサービスとして、

・メインサービスである株式会社ネオジャパン開発のASP・クラウドサービス「グループウェア」
・営業日報管理に特化したソフト「営業支援システム」(desknet's SSSのASP版)
・10年以上のグループウェアの運用実績により独自開発した「ワークフロー」

などがあります。

前期の業績は

売上高 533,687千円(2.9%減)
セグメント利益 148,255千円(9.4%減)

です。

BPOサービス事業

BPOサービスは顧客の要望に合わせたアウトソーシングサービスを提供する事業です。

データ入力代行サービス、画像の精査や点検、インターネットを用いた調査などを行っています。

前期の業績は

売上高 386,962千円
セグメント利益 △6,992千円

です。

利益が期待できる事業ではありません。

その他サービス(教育関連事業含む)

その他サービスでは主に教育事業を行っています。

教育事業はビジネス関連のeラーニングを主業務とした人材開発・育成支援サービスを提供する事業です。

具体的なサービスとして、

・月額制で400コース以上のeラーニング・公開研修が受け放題となる社員研修サービス
・階層別研修やスキル研修の講師を多数ラインナップしている講師派遣サービス
・顧客独自のノウハウをeラーニング化するオリジナルeラーニング作成サービス

などを提供しています。

会員数は拡大しており、前期末で2,600超です。

前期の業績は

売上高 368,594千円(20.1%増)
セグメント利益 72,374千円(77.9%増)

大きく成長しています。


つづいて、リスクモンスター全体の業績を見ていきます。

リスクモンスターの業績
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過去5年のリスクモンスターの業績です。

成長率はそれほど高くありませんが堅実に成長していますね。

事業内容的に、不況にも強く今期予想も小幅ながら増収増益予想です。

第1四半期決算も増収増益となり、順調に進捗しています。

リスクモンスターの業績分析で重要となるのが会員数の推移です。

会員から収益を得るビジネスモデルであるため、会員数の増加が業績成長にダイレクトに繋がります。

会員数の推移
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リスクモンスターの会員数の推移です。

右肩上がりにしっかりと増加していますね。

近年、増加傾向が強まっています。

事業別の会員推移を見ると、

与信管理サービス事業は、5%程度の安定成長
ビジネスポートるサイト事業は、横ばい
教育関連事業は、10%を超える成長が継続

となっています。

主力である与信管理サービス事業が堅実に成長しており、新事業である教育関連事業の成長率は高いです。

今後を期待させますね。笑

リスクモンスターは主にクラウドを利用した定額・従量制のサービスを提供しており、売上が拡大したからといって、経費が大きく増加するわけではありません。

ですので、今後会員数が増加し、売上が拡大していけば利益率は向上していくと考えられます。

ビジネスモデルに独自性が強く、安定した需要と堅実な成長から期待している企業です。

成長率が向上するのを期待しながら今後もチェックしていきたいと思います。

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