
みなさん、こんにちは。
前回の記事ではTOBについて簡単に説明しました。
今回はTOBのメリットやデメリットについて紹介します。
TOBによって株価がどうなるのかといった投資において重要な点も説明しますのでぜひ最後まで読んでください。
あくまで簡単な解説ですので、「TOBについて十分知ってるよ」という方は読み飛ばしてください。笑
TOBのメリット

TOBは簡単に言うとある企業が別の企業を買収する行為です。
TOBのメリットについて考える場合は、誰にとってのメリットなのかを分けて考える必要があります。
ここでは買収する側と買収される側の株主にとってのメリットについて考えましょう。
買収する企業側のメリットしては、一度に大量の株式を手に入れられるという点が挙げられます。
買収される側の株主にとってのメリットは、株価が上昇する可能性が高いという点です。
TOBのメリット 一度に大量の株式を手に入れられる
TOBは市場外で株式を買い付けします。
市場で株式を大量に買い付ける場合、大量の買い注文を出すことになりますので、自分の買い注文で株価が上昇してしまう可能性が高いです。
そのため想定通りの株価で株を買い付けることが難しくなります。
つまり、買収にかかる費用が事前には予測できないということです。
一方でTOBの場合は、あらかじめ買い付ける価格、株式数、期間を決めているため、事前に買収にかかる費用を計算できます。
一度に大量の株式を買い付けできることで、買収費用が事前に計算できる点がTOBのメリットです。
TOBのメリット 株価が上昇する可能性が高い
通常、TOBされる株は株価が上昇します。
TOBを成功させるために買収する側が買い付け価格を市場価格より高く設定するからです。
TOBの成否は株主がどれだけTOBに応じてくれるか、つまり自分の保有株を売却してくれるかということにかかっています。
市場価格と同等以下の買い付け価格であれば、株主はわざわざTOBに応じませんよね。
ですので、TOBの買い付け価格はTOB発表時点の株価より高い価格に設定されるケースがほとんどです。
この市場価格と買い付け価格の差を「プレミアム」といい、プレミアムをどの程度つけるかでTOBの成否が決まるといっても過言ではありません。
株主は買い付け価格が高いほど売却する気になりますからね。
ちなみに
コロワイドの大戸屋HDに対するTOBのプレミアムは約45%
伊藤忠商事のファミリーマートに対するTOBのプレミアムは約30%
です。
TOBのデメリット

既存株主にとってのTOBのデメリットは2つあります。
TOBによって上場廃止となる場合がある点
買収を防ぐための買収防衛策により株式価値が下がる可能性がある点
です。
TOBのデメリット 上場廃止
TOBにより買収された企業はその後上場廃止となるケースがあります。
ファミリーマートも伊藤忠商事によるTOBの後、上場廃止となる見通しです。
上場廃止になれば、市場で株取引を行うことができません。
企業自体は存続するので株式を保有し続けることも可能です。
ですが、市場での株式売買のように自由に株を売却することができなくなります。
そのため実質的にはほぼ強制的にTOBに応じることになるでしょう。
TOBによる上場廃止により、得られたかも知れない将来的な株価の値上がり益を失うという点はTOBのデメリットです。
TOBのデメリット 買収防衛策による株式価値の減少
敵対的TOBの場合、TOBをしかけられた企業が買収防衛策を取ることがあります。
その買収防衛策によっては株式価値が減少します。
株式価値が減少すれば当然株価は下がりますので、既存株主にとってはデメリットです。
例えば、買収防衛策の一つに新規で株式を発行するというものがあります。
新株の発行により、株式数が増えますので買収側の企業の保有比率を低下させることが可能です。
保有比率が下がれば買収側は保有比率を上げるために更に株式を買い付ける必要があり買収費用が増加します。
そのため、TOBが失敗となる可能性が高くなるのです。
ただし、株式数が増えればその分1株あたりの株式価値は低下することになります。
純利益1億円の企業の発行済株式総数が100万株だった場合、1株あたりの利益(EPS)は100円です。
ですが、新株の発行によって株式数が200万株に増加すると、1株あたりの利益は50円となります。
1株あたりの株式価値が減少しますので、当然株価にとっては悪材料です。
このように、買収防衛策によって株式価値が減少する可能性があることは、既存株主にとってTOBのデメリットとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はTOBのメリット・デメリットについて簡単にまとめました。
最後にまとめますと
・TOBは市場外で一度に買い付けするため買収費用が計算しやすい
・TOBは通常、買付価格にプレミアムをつけるため株価が上昇することが多い
・TOBにより上場廃止となる場合がある
・TOBを防ぐ買収防衛策によって株式価値が減少する可能性がある
が重要点です。
国内でも物言う株主などの増加により企業買収は活発化しています。
TOBは今後も話題になることが多いでしょう。
投資家としてTOBによって株価がどうなるのかTOBのメリット・デメリットを知っておくことは重要です。
TOBについて理解し投資に生かしていきましょう。

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TOBは簡単に言うとある企業が別の企業を買収する行為です。
TOBのメリットについて考える場合は、誰にとってのメリットなのかを分けて考える必要があります。
ここでは買収する側と買収される側の株主にとってのメリットについて考えましょう。
買収する企業側のメリットしては、一度に大量の株式を手に入れられるという点が挙げられます。
買収される側の株主にとってのメリットは、株価が上昇する可能性が高いという点です。
TOBのメリット 一度に大量の株式を手に入れられる
TOBは市場外で株式を買い付けします。
市場で株式を大量に買い付ける場合、大量の買い注文を出すことになりますので、自分の買い注文で株価が上昇してしまう可能性が高いです。
そのため想定通りの株価で株を買い付けることが難しくなります。
つまり、買収にかかる費用が事前には予測できないということです。
一方でTOBの場合は、あらかじめ買い付ける価格、株式数、期間を決めているため、事前に買収にかかる費用を計算できます。
一度に大量の株式を買い付けできることで、買収費用が事前に計算できる点がTOBのメリットです。
TOBのメリット 株価が上昇する可能性が高い
通常、TOBされる株は株価が上昇します。
TOBを成功させるために買収する側が買い付け価格を市場価格より高く設定するからです。
TOBの成否は株主がどれだけTOBに応じてくれるか、つまり自分の保有株を売却してくれるかということにかかっています。
市場価格と同等以下の買い付け価格であれば、株主はわざわざTOBに応じませんよね。
ですので、TOBの買い付け価格はTOB発表時点の株価より高い価格に設定されるケースがほとんどです。
この市場価格と買い付け価格の差を「プレミアム」といい、プレミアムをどの程度つけるかでTOBの成否が決まるといっても過言ではありません。
株主は買い付け価格が高いほど売却する気になりますからね。
ちなみに
コロワイドの大戸屋HDに対するTOBのプレミアムは約45%
伊藤忠商事のファミリーマートに対するTOBのプレミアムは約30%
です。
TOBのデメリット

既存株主にとってのTOBのデメリットは2つあります。
TOBによって上場廃止となる場合がある点
買収を防ぐための買収防衛策により株式価値が下がる可能性がある点
です。
TOBのデメリット 上場廃止
TOBにより買収された企業はその後上場廃止となるケースがあります。
ファミリーマートも伊藤忠商事によるTOBの後、上場廃止となる見通しです。
上場廃止になれば、市場で株取引を行うことができません。
企業自体は存続するので株式を保有し続けることも可能です。
ですが、市場での株式売買のように自由に株を売却することができなくなります。
そのため実質的にはほぼ強制的にTOBに応じることになるでしょう。
TOBによる上場廃止により、得られたかも知れない将来的な株価の値上がり益を失うという点はTOBのデメリットです。
TOBのデメリット 買収防衛策による株式価値の減少
敵対的TOBの場合、TOBをしかけられた企業が買収防衛策を取ることがあります。
その買収防衛策によっては株式価値が減少します。
株式価値が減少すれば当然株価は下がりますので、既存株主にとってはデメリットです。
例えば、買収防衛策の一つに新規で株式を発行するというものがあります。
新株の発行により、株式数が増えますので買収側の企業の保有比率を低下させることが可能です。
保有比率が下がれば買収側は保有比率を上げるために更に株式を買い付ける必要があり買収費用が増加します。
そのため、TOBが失敗となる可能性が高くなるのです。
ただし、株式数が増えればその分1株あたりの株式価値は低下することになります。
純利益1億円の企業の発行済株式総数が100万株だった場合、1株あたりの利益(EPS)は100円です。
ですが、新株の発行によって株式数が200万株に増加すると、1株あたりの利益は50円となります。
1株あたりの株式価値が減少しますので、当然株価にとっては悪材料です。
このように、買収防衛策によって株式価値が減少する可能性があることは、既存株主にとってTOBのデメリットとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はTOBのメリット・デメリットについて簡単にまとめました。
最後にまとめますと
・TOBは市場外で一度に買い付けするため買収費用が計算しやすい
・TOBは通常、買付価格にプレミアムをつけるため株価が上昇することが多い
・TOBにより上場廃止となる場合がある
・TOBを防ぐ買収防衛策によって株式価値が減少する可能性がある
が重要点です。
国内でも物言う株主などの増加により企業買収は活発化しています。
TOBは今後も話題になることが多いでしょう。
投資家としてTOBによって株価がどうなるのかTOBのメリット・デメリットを知っておくことは重要です。
TOBについて理解し投資に生かしていきましょう。

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