無題

東証のシステム障害で取引が停止になっていたようですね。

信用余力の計算などに影響は無かったのでしょうか?
なかなか体験できない貴重な体験でしたね。

さて、先日【2337】いちごが三井住友銀行から33億円の借入を実施したと発表しました。

国内不動産では初となるポジティブ・インパクト金融原則に則る「ポジティブ・インパクト金融原則適合型 ESG / SDGs 評価シンジケーション」による借入とのことです。


ポジティブ・インパクト金融原則とは
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ポジティブ・インパクト金融原則とは国連組織のUNEPにより設立された国連環境計画・金融イニシアチブが制定した原則です。

ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則とも呼ばれます。

ポジティブ・インパクト・ファイナンスは簡単に言えば世の中に良い(ポジティブな)影響を与える融資のことです。

いわゆるESGへの取組などが重要なポイントとなります。

この借入が実現したのはいちごのグリーンエネルギー事業などの取組が評価された結果ですね。

今回いちごは、三井住友銀行が行うポジティブ・インパクト金融原則に則る「ポジティブ・インパクト金融原則適合型ESG / SDGs 評価シンジケーション」によりローンを組成し33億円の借入を実施しました。

33億円を借入

いちごは三井住友銀行から33億円を借入れました。

借入限度額は106億円とのことですので、まだ73億円の借入を行うことが可能です。

わざわざ、ポジティブ・インパクト金融原則に則るローンを組んでいるのですから、金利も相当低いのでしょう。

通常の融資よりも金利が高いのであれば、このようなローンを組んで借入する必要はないからです。

いちごの現在の借入金の加重平均金利は0.9%となっています。
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あくまでも予想ですが、少なくともこの水準よりは低い金利だと考えています。

ちなみにいちごは過去にグリーンボンドという環境改善効果のある事業向けの融資を受けており、その金利は下記の通り約0.7%でした。
無題

低金利で借入を行うことはより多くの利益に繋がりますので今後もこういった借入に期待ですね。

この借入の大きなポイントは資金使途が限定されていないという点です。

調達した資金はあらゆる使途に活用可能
無題

通常、こういったESGがらみの借入は資金の使途が限定されることが多いです。

前述のグリーンボンドによる借入もその使途は環境改善効果のある事業に限定されます。

いちごで言えば太陽光発電所の建設費などですね。

ですが、今回のポジティブ・インパクト・ファイナンスによるローンはあらゆる使途に資金を活用することができます。

ですので、例えば不動産取得費用としても利用できることになります。

私がこのIRを見て思ったのが、今期の厳しい状況の中での成長投資への期待です。

いちごの今期業績は大幅に減益予想

いちごは今期業績予想を7月に上方修正していますが、それでも前期比で大幅な減益となる予想となっています。
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その要因はコロナ禍によるホテルや商業施設の収益の落ち込みによるものです。

正直、今期に関してはコロナ禍の影響が少ない、レジデンスの取得・売却をいくつかするだけであまり期待できないと考えていました。

ただ、今回ポジティブ・インパクト・ファイナンスによるローンとして借入枠106億円、33億円の借入を実施したことで成長投資も行っていくのかな?と期待しています。

というのも、いちごは直近決算時点で現預金を440億円程度有しており、ただ単に事業を継続していくだけであれば新たな借入を行う必要はないと考えているからです。
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下記はいちごの前期決算資料です。
固定費は78億円程度となっています。

無題

現預金440億円に対して、固定費は80億円程度であり、安定的なストック収益により得られるキャッシュもありますので、新規の投資をしないのであれば追加で資金調達する必要はないでしょう。

こういった状況で、いちごは今回106億円の借入枠と33億円の借入を実施したのですから、来期以降に向けての成長投資を行っていくのでは?と期待しています。

資金使途が自由なので、金利の高い借入金の返済に使う可能性もありますが。笑

今期はレジデンスの売買がメインと、いちご側は言っており実際そうなるでしょうが、ホテルなどの価格も大きく下落しているのであれば購入するのでしょうか。

今回の借入もあり資金は十分余力があると思いますので、次回以降の決算を楽しみにしています。
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